事故車を買取業者に売却する時に発生しやすいトラブル
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日本の交通事故は減少傾向にあるとはいえ、件数自体はまだかなりのものです。
必然的に、数多くの事故車が中古車市場に流れてきます。これが、しばしばトラブルの元になるのです。
具体的にどのようなものがあるか、その例を挙げていきます。
知らずに中古の事故車を買ってしまった
中古車購入の際のトラブルでもよく耳にするのが、中古車を買ったらそれが事故車だったという話です。事故車は値段が安い反面、強度や安全性に不安があるため、安い車を探している人からも敬遠される傾向にあります。また、車自体に問題がなくても縁起が悪いと嫌がる方も少なくありません。そこで、お祓いをして客に安心感を持ってもらおうとする業者もいます。科学的根拠はともかく、そうした姿勢の業者はまだ良心的です。中には、事故車という事実を隠して中古車を販売している業者も存在します。もちろん、それは違法行為ですが、気をつけなければいけないのは、事故車に対する解釈です。
世間一般でいう事故車とは、文字通り事故で損傷を受けた車を意味します。しかし、中古車業界で事故車と言えば、修復歴車を指します。修復歴車とは、フレームやピラーなど車の骨格部を修理した車です。逆に言えば、車の骨格部に相当しない箇所であればどんな大掛かりな修理をしても事故車としては扱われません。また、修復歴車であれば、その修復歴を告知する義務がありますが、いくら修理箇所があっても修復歴車に該当しなければ、伝えなくてもよいとされています。つまり、車を購入した後で、骨格部以外の修理箇所に気がついてもそれを理由に、返金を求めることはできないのです。なぜなら、車の骨格部は一度破損すれば、いくら修理しても走行性能や強度に悪影響を及ぼす可能性が否定できませんが、それ以外の部分であれば、修理さえすればマイナス要因にはならないからです。
実際問題、修復歴以外の修理歴は、よほど良心的な業者以外は公開していません。一方、修復歴があるにも関わらず、それを隠しているのは悪質です。そして、そうした業者に事故車を掴まされて、車の不調に悩まされるといった事例は決して少なくありません。それを未然に防ぐためには、修復歴車を見抜くポイントを知っておくのが大切です。例えば、ボンネットに不自然な隙間がある場合は、修復歴車である可能性があります。また、車を正面から見て左右対称になっているかも確認しましょう。違和感を覚えれば要注意です。一番分かりやすいのはフレーム修正機の跡があるかどうかです。車の目立ちにくい箇所に無数の小さな傷跡があれば、ほぼ間違いなく修復歴車です。
しかし、いくら用心していても、修復歴車を見抜けずに購入してしまうケースはあります。その場合は、返金を求める権利があるので、車を購入した店と交渉をしてください。もし、相手が非を認めない場合は、消費生活センターなどに相談するのがよいでしょう。
事故車を売る時は必ず事故歴を伝えるべき?
車に事故歴があると、当然、買取の査定額も大幅に下がってしまいます。だからと言って、事故歴を隠して売却するのは全くおすすめできません。倫理的に問題があるのはもちろんですが、それ以前に相手は査定のプロです。車の事故や修理の跡は、かなりの高確率で見つけ出します。それなのに、事故歴はないと答えたらどうなるでしょう?十中八九業者との信頼関係は損なわれます。値段交渉が不利になるばかりか、とことん買い叩かれてしまう可能性すらあります。
また、万が一、嘘の申告がばれなかったとしてもそれでラッキーとはなりません。買取られた車は、中古車として販売する前にもう一度査定されるので、そこでまず間違いなく事故車だと判明します。そうすると、買取額の減額を求められ、場合によっては、契約を破棄されてしまいます。しかし、奇跡的に2回目の査定もクリアして店に並び、誰かがその車を購入すれば、これはもう最悪です。車の不調で事故が起きた場合は、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が問われます。被害の大きさによっては裁判沙汰になるかもしれません。通常であれば、まずありえませんが、事故歴を故意に隠していれば話は別です。悪質な行為と判断され、その責任が追求されるでしょう。
このように、事故歴を隠しても害こそあれ、なんの益ももたらしません。売却する車の状態に関しては、業者にすべて正直に話すのが一番です。
放置してある事故車への対処法
事故を起こした車がそのまま路上に放置されている場合があります。これは、歩行や車の走行の妨げになりますし、見通しの悪い場所であれば、新たな事故を起こしかねない大変な迷惑行為です。こうした場合、連絡すべきは警察です。もし、放置している場所が非常に危険であれば、その場で110番しても問題はありません。しかし、とりあえず危険性がないのであれば、何日か様子を見て、いつからどのような状況で放置されているのか、撤去しようとしている様子はあるかなどを確認してから連絡した方が良いでしょう。その方が警察も対処がしやすいはずです。また、110番は緊急性の高い案件のための回線なので、このような場合は、最寄りの警察署に電話をしてください。警察は放置車両の状況を確認し、交通の妨げになると判断した場合は、レッカー車を手配してただちに移動となります。それ以外の場合は、駐車違反のシールを貼り、車の所有者に撤去の要請を行う形になるでしょう。
しかし、事故車を私有地に放置している場合は、いささか厄介です。民事不介入の原則で、その車に事件性がないかぎり、警察による撤去は不可能です。警察の方で所有者の連絡先を調べて車の撤去の要請はしてくれますが、それを無視する輩も少なくありません。そうなると、土地の所有者が、陸運局で相手の住所を調べて内容証明を送ったり、放置車両に警告文を貼って経過を見たりと大変な手間になってしまいます。おまけに、撤去の正当性を認めてもらうために裁判を起こすとお金もかかります。
法が未整備なために、私有地に放置された車に関しては、即効性のある解決法は存在しません。かといって、他人名義の車を勝手に撤去しては、こちらが訴えられる可能性があります。面倒ではありますが、解決に向けて一歩ずつ段取りを踏んでいくしかないのです。
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