廃車にした車はどうなるの?
車を廃車にするという言い方をよくしますが、その本当の意味をご存知ですか?これを勘違いしていると、実際に車を廃車にする際に戸惑ってしまいます。そこで、廃車とは何を指す言葉で、廃車になった車はどうなるのかを解説していきます。
廃車にした車の行く末
廃車と言えば、車をスクラップにするというイメージをもっている方は多いかと思います。しかし、それは正確ではありません。廃車とは、登録を抹消して公道を走れなくなった車を指します。車がスクラップかどうかは問題ではないのです。もちろん、解体されて処分される車もあります。しかし、廃車と呼ばれる車のすべてが解体されるわけではありません。例えば、コレクションとして個人が集めていたり、博物館に並んでいたりする車も登録自体は抹消されているので、見た目がどんなにきれいでも廃車です。
そして、それ以外にも廃車の意外な使い道があります。海外への輸出です。廃車になった車が海外で販売され、再び公道を走るのは変だと思うかもしれませんが、考えてみれば当然の話です。車の登録をしたまま海外に輸出すれば、海外で走っている車を日本国が管理しなければならなくなります。だから、一度登録を抹消した上で、輸出先の国で改めて登録をするわけです。それを変に感じるのは、廃車という言葉に使い物にならない車というイメージがあるからです。しかし、実際は、買ったばかりの新車でも登録を抹消すれば廃車なのです。
永久抹消の場合
車の登録を抹消する手続きには、大きくわけて2種類あります。その中でも、多くの方が実際に経験するのが、永久抹消登録です。これは文字通り、車の登録を永久に抹消して2度と登録はしませんという意味です。もうその車には乗るつもりはなく、引取手もないので処分したい時に陸運局に行ってこの手続きを行います。ただし、永久抹消の手続きをするには、先に車を解体する必要があります。登録の抹消が終わった後に気が変わり、処分するはずの車をそのまま保管されたりすると、登録にない車が増えて陸運局での管理に支障をきたすからです。この永久抹消の際に行う、「手続きの前に解体」というイメージが、廃車=スクラップにする車という誤解の一因にもなっています。
ところで、解体された車はどうなるのでしょうか?単なるゴミとして破棄されると思っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。確かに、その何割かは使い道がなくて捨ててしまいますが、それ以外の多くは鉄やアルミとして再利用されます。また、使えるパーツがあれば、スクラップになる前に取外し、国内外の流通経路で売買を行います。解体された車も決してゴミというわけではなく、貴重なリサイクル資源なのです。
一時抹消の場合
永久抹消登録と違い、車は解体せずに登録だけ抹消するのが、一時抹消登録です。例えば、海外赴任や長期入院で、当分の間車に乗る予定がない場合にこの手続きを行います。そうしないと、車に乗っていないのに自動車税の請求がくるからです。したがって、車に乗るつもりはないけれど、コレクションとして集めたいという場合にもこの手続きを行います。
一時抹消登録をすると公道を走れなくなりますが、再登録すれば、普通に使えるようになります。ここで誤解を招くのが、廃車手続きを業者に頼んだ場合です。廃車にしたはずの自分の車が公道を走っているのを目撃した時、廃車の制度を正確に知らない人は、業者に騙されたと思うかもしれません。廃車にすると言った時点で、自分の車は解体されるものだと思い込んでいるからです。しかし、廃車手続きが一時抹消登録だった場合、登録を抹消しただけですから、再登録と名義変更を行えば中古車として販売ができるわけです。したがって、業者に廃車の依頼をする時には、後でトラブルにならないように、永久抹消登録か一時抹消登録のどちらで手続きするのかをよく確認する必要があります。
なお、輸出販売を目的として車の登録を抹消する場合は、一時抹消登録ではなく、輸出抹消仮登録の手続きをしなければなりません。そうしないと、車が国内に存在することになってしまうからです。
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