廃車にする走行距離と年式の基準
ドライブのパートナーとして欠かせない大切な存在の“愛車”もいつかは迎えなくてはならない「廃車」にする日、車がどれくらいの状態のとき廃車となるのか気になりますよね。その基準を具体的に説明していきます。
そもそも廃車とは?
最近、なんだか肩も腰も関節も痛い…人は体調が思わしくないと感じると年齢のせいにしますよね。誰でも年をとれば体は衰えるものです。それは車も同じではないでしょうか?いくら大事に乗っていても、車はエンジンのトラブルや突然の事故による損傷、あるいは老朽化によっていつか走ることができなくなります。日本では車の所有者が「抹消登録」という手続きをすると、その車は人や物を運ぶ仕事を終えることになります。これを「廃車」と言います。
道路運送車両法にもとづく抹消登録には、車両の解体を前提にもう使用しませんよという「永久抹消登録」と長期の出張や入院により一時使用中止の状態にしておく「一時抹消登録」の2つがあります。
手続きは登録自動車であれば陸運局で、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で行います。廃車になった車は、その後中古車として国内や海外の新たなオーナーの元へ行ったり、各部品を解体して販売されたりするものや金属として輸出されることもあります。中には映画のカーアクション用に使用したり、水没や衝突のテスト走行用に使ったりすることもあるようです。廃車になったからといって必ずしも車としての役目が終了するわけではないのです。
廃車にする車の年式・年数の目安
車は丁寧に手入れをすれば10年、20年と走行できる月日は長くなる可能性がありますよね。費用がかかっても修理に時間をかければ、もっと長く乗れるなんてことがあるかもしれません。一昔前だと、車の寿命は10年10万キロなんて言葉もありましたが、現在では車両の構造がより安全性に強化されたことにより丈夫になっています。10数年程度では、まだまだ現役で活躍できる車が多くありますが、万が一の事故で破損していて、その修理代が新しい車よりも高くなってしまう場合は年式・年数に限らず、廃車という選択肢を取る方が良いのではないでしょうか。また、車種の型が古くて部品の生産中止などにより修理が不可能となってしまうケースも考えられます。何十年も前の車であるのなら廃車を視野に入れておく必要もあるでしょう。
1970〜1990年代の車の場合
車を処分する際の使用年数の目安は時代によって変化しており、1970年代から1990年代までの車の場合だと7年から10年が目安です。
1970年代から1990年代というのはバブル時代で購入者が多かっただけでなく、スーパーカーブームで自動車を持つことがステータスだった時代だったのでほぼ毎日といっていいほど長距離を走っていた時代です。速さを追求したことによって必然的に車の消耗度は高いだけでなく、部品も手書きの設計図から作るので品質にばらつきがあったのです。そのため新車として購入してから処分するまで安全に運転するためには7年ほどしか持たないことが多いのです。
2000年代以降の車の場合
2000年代に入ってからの車の目安になっているのが、16年から20年が目安になっています。なぜ2000年代の車は前年度に比べて2倍も数値が違うのかというと、やはり使用頻度の違いとソフトウェア使用による部品の性能アップが関係しています。2000年代に入るとスーパーカーブームも終焉を迎え、その代わりに大人数の人間が乗れるSUVが主流になります。この時代になると手書きの設計図から作るのではなく、パソコンでCADといったソフトウェアを使って設計するので部品の性能が飛躍的にアップしたのです。さらに使用頻度も旅行の際に高速バスや飛行機の充実によって使う時と使わない時が生まれたことで、2000年代以降の車の処分するまでの目安が16年から20年と飛躍的に伸びました。
廃車にする車の走行距離の目安
廃車にする目安にするものとして「走行距離」を考える人は多いのではないでしょうか。年式や年数も指標にはなりますが、例えば5、6年前の車で週に1日しか乗らないという人の車と、まだ購入して2,3年だけど毎日欠かさず乗る人の車と比較すれば、走行距離のメーターは必然的に後者の方がキロ数の上昇が早いということが分かると思います。そうすると、メンテナンスの状況や運転の仕方にもよりますが、年数や年式が古いからというだけでは即廃車と決めつけられないところもありますよね。
そこで参考になるのが、この走行距離なのです。大切に乗っているつもりでも長い距離を走っているとそれなりに車のパーツも痛んでくるもので、15万キロを越えてきたら廃車の時期はそろそろかな…と考え始めるのが良いでしょう。なぜ15万キロなのかというと、この走行距離を超えるとエンジン回りの部品の消耗度が限界に来るからです。ただ使用年数の時にも言いましたが、この走行距離も1970年代から1990年代までの車と2000年代以降の車では違いがあります。車には2年に1回車検がありますが、車検にかかる費用も安くはないものですから、次回の車検までにどれくらいメーターが上がるか予測して、自分の車が廃車になりうる条件となるかどうか考えてみるのも良いのではないでしょうか。
1970〜1990年代の車の場合
年式が1970年代から1990年代までの車だと、この走行距離については15万キロではなく5万キロから10万キロが目安になっています。これはエンジンを動かすときに使う部品でタイミングベルトというものが使用されていたのですが、このタイミングベルトが摩耗して使えなくなるのが10万キロだからです。
2000年代以降の車の場合
2000年代に入ると寿命の長期化が図られることで、新しい技術としてタイミングベルトではなく特殊な金属を使ったタイミングチェーンを使っています。特殊な金属で構成しているので耐久度が高く、10万キロが限界だったのが15万キロから30万キロまで飛躍的に伸びました。しかしいくら特殊な金属で構成されたタイミングチェーンを用いて30万キロまで伸びたとしても、それ以外の部品の寿命は10万キロから始まることに変わりはないです。そのため走行中にいきなりエンジンが動かなくなるリスクを考えるのであれば、処分する目安として走行距離は15万キロを目安にするのが望ましいといえます。
維持費も車の処分を考える目安に
車を処分するうえで使用年数と走行距離が大事な要素ですが、それ以外で少なからず考慮してほしいのが維持費です。維持費というのは走行の安全性を維持するためのメンテナンス費だけでなく、車を所有するだけでもいろいろな費用がかさみます。所有することによって発生する費用が、新車価格よりも高くなる場合は相当な愛着がない限りは買い替えを行った方が得です。
所有することによって発生する費用
所有することによって発生する費用の内訳というのは、メンテナンス費と税金と保険です。メンテナンス費は、法律で購入した日を基に毎年決まった期日に専用の工場もしくは陸運局にもっていって監査する車検が義務付けられています。その車検では安全に走行できるように整備が成されるだけでなく、安全に走行できる証明も込みで約10万円は必要になります。
税金
税金については自動車税および軽自動車税と自動車重量税であり、これらは毎年所有の権利を持っている人が4月の下旬頃に納税通知書が届きます。納税する額は車の大きさによって異なるため、最低限用意すべき値段としては5万から15万円必要になります。
保険
保険というのは万が一事故を起こした時と盗難や故障によってかかる負担を軽減するために支払うもので、車検を受ける際に同時に支払いのタイミングにもなっています。保険には期間が定められており、期間によって金額は違いますが買い替えのタイミングではないという条件で安心を考えるのであれば最高の37ヶ月を指定するのが流れです。そして最高の37ヶ月を指定した場合の金額は、車の大きさに関係なく5万円が目安になっています。
廃車にする走行距離と年式の基準
- 安全面での目安は使用年数は16年〜20年、走行距離は15万キロ
- メンテナンス費、税金、保険などの維持費も目安に
何度も言うように車は便利ですが消耗品なので、所有者はしっかりと寿命が来ることを考慮しなければならないです。その寿命の内訳というのが使用年数と走行距離であり、使用年数は16年から20年であり走行距離は15万キロが安全面での目安になります。しかし使用年数や走行距離が目安に満たなくても、維持費が新車価格を超え始めているのであればこれも処分のタイミングです。
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