不動車を処分する際のおすすめの方法と費用相場

長期間運転しないまま放置したり、予期せぬ事故で車がダメージを負ったりすると、車が劣化・故障して、走行できなくなってしまう場合があります。

動かない車=不動車を所持している限りは自動車税の納税対象になるため、早めに処分するのがおすすめです。

不動車の処分にはいくつか方法があり、選び方によってはお得に処分できます。

本記事では、不動車の処分方法の手順・費用相場について情報をまとめました。車の状況や必要な費用を比較し、自身にあった方法で不動車を処分してくださいね。

不動車とは

不動車の処分方法

「自力で走行できなくなった状態の車」不動車です。

事故や経年劣化により機能的に走行が困難になった車に加えて、車検切れで公道を走れなくなった車も不動車に該当します。

具体的な不動車の例は以下の通りです。

  • エンジンがかからなくなっている
  • 車の機能に不備があるが、修理をしていない
  • 交通事故により車が損傷した
  • 長時間運転せずに放置した結果、バッテリー上がりを起こした
  • 車検が切れてしまった

なお、似た言葉である「事故車」は、不動車の中でも修復歴のある車や、走行するのに修復が必要な車のことです。

不動車の放置は、保管する上でコストがかかるため、早々に処分しましょう。発生するコストのひとつが、毎年通知される自動車税です。

自動車税は毎年4月1日時点で車を所有している対象者に対し、運転しているか否かに関わらず課税するよう通知されます。
不動車の保管のためにガレージを使用している場合は、自動車税に加えてガレージ代を支払わなければなりません。仮に支払いがなくとも、自分の土地を占有してしまう点ではデメリットです。

コスト面以外にも、車上荒らしや放火のターゲットにされやすくなったり、車の価値が下がって下取り・買取できなくなったりする危険があります。なるべく早い段階で手配を済ませ、不動車を処分しましょう。

不動車を処分する方法①廃車にする

「廃車」は不動車の処分方法のひとつで、車一台ずつに設定されている車籍(登録情報)を削除・抹消する手続きです。

車籍は自動車の所有者を示す証明として機能しており、車籍が残っている限りは、自動車税の納税対象です。

廃車手続きをすることで、自動車税を支払わずに済みます。事故により車の修復が困難な場合や長期で運転しない場合は、廃車で車を手放す方がお得になるため、検討しましょう。

不動車を廃車にする場合、動かない車の運搬や解体が必要です。不動車を運搬するにはレッカー車・積載車を手配しなければならず、準備に手間がかかる上、費用が発生します。

そのため、個人で手続きするのはおすすめできません。事故車ではなく、車検が切れているだけで自走できる車であれば、仮ナンバーを発行して公道を走れるよう手続きできます。

手順と必要書類

不動車を廃車にする手順と必要書類は以下の通りです。

廃車手続きの手順

  1. 運搬方法を確保する(仮ナンバーを発行する/レッカー車を手配する 等)
  2. 車体を解体、あるいは保管する
  3. 廃車の手続きをする

運搬方法を確保する(仮ナンバーを発行する/レッカー車を手配する 等)

運搬方法は、不動車の状態により適切な方法を選択ししましょう。

故障・不備がなく自走できる状態であれば、仮ナンバーを設置して公道を走行できます。事故・劣化で自走できない状態であれば、代行業者を探してレッカー車を手配するのがおすすめです。

車体を解体、あるいは保管する

処分する車は、解体するかどこかに保管するかを選ぶ必要があります。個人での解体は禁止されているため、解体する場合は専門業者に依頼しましょう。

解体せずとも、契約している駐車スペースがあれば、廃車後の車体を自分で保管できます。保管できるスペースがない場合は、車籍に明記された管轄地区の運輸支局や軽自動車検査協会に返却するのが一般的です。

廃車の手続きをする

廃車手続きは車種により手続きする場所が異なります。普通自動車と軽自動車で、手続きする場所は以下の通りです。

  • 普通自動車:運輸支局あるいは自動車検査登録事務所
  • 軽自動車:軽自動車検査協会

廃車手続きの必要書類

  • 永久抹消登録あるいは一時抹消登録の申請書類
  • 自動車検査証・車検証(車検が切れている場合でも必要)
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 収入印紙(手数料の納付書)
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • ナンバープレート 前後2枚
  • リサイクル券(A・B券)※永久抹消登録のみ必要

廃車手続きに必要な書類は、手続き方法により異なります。

そもそも廃車手続きは2種類あり、1つは車籍を完全に抹消する「永久抹消登録」、もう1つが一時的に車籍を抹消していつでも復活できるようにする「一時抹消登録」です。

手続きの申請書は、各手続き場所の所定に従う必要があるため、事前に管轄地区の運輸支局や軽自動車検査協会に問い合わせて調べておきましょう。

車の使用状況(運送業で自家用車を使っている 等)や、個人の状況(車検証登録後に結婚して苗字が変わった 等)によっては、追加で提出を求められる書類があるため、事前に確認しておくのがおすすめです。

不動車を廃車にする際の費用相場

不動車を廃車にする場合の費用相場は以下の通りです。

  • 廃車手続き費用:350~800円
  • 車体の解体・運搬にかかる費用:15,000~50,000円

廃車手続きは、手数料代・印鑑証明書代が発生します。手数料は一律で350円です。個人での手続きは印鑑証明書代がプラス300円、法人の場合は450円かかります。

車体を解体する場合は、解体業者に委託するのに約15,000〜30,000円かかるのが一般的です。走行できない事故車をレッカー車で運搬しようとすると追加費用として15,000〜20,000円がかかります。

不動車を処分する方法②修理に出す

不動車の処分はスクラップにするだけではありません。今後運転する可能性があり、修理費用が安く済むのであれば、廃車でなく「修理」に出す方法も選択できます。

車が好きで、希少性の高い車種・お気に入りの車種を保持している場合は、修理して長く愛用すべく、修理に出すのをおすすめします。

修理するのに費用がかかるため、コストを投じる覚悟が必要です。特に年代の古い車は部品がなかったり技術が追いつかなかったりする傾向があり、修理費用が高くつくだけでなく、修理自体できないケースがあります。

手順と必要書類

不動車を修理に出す手順と必要書類は以下の通りです。

修理に出す手順

  1. 業者を選定し、見積もりを出す
  2. 修理を依頼する

修理に出す場合は、どの業者に依頼するか、十分注意して選定しましょう。
相見積もりをとって事前に費用を確認するのはもちろん、修理にかかる日数や説明のわかりやすさをチェックしておくのがおすすめです。

修理に出す際の必要書類

  • 業者から渡される修理の申込書
  • 自動車検査証・車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 実印・認印

修理に出す上で必要となる主な書類は上記の通りです。修理業者により求められる書類が異なるため、指示に従って用意してください。

不動車を修理する際の費用相場

不動車の修理は、修理する箇所の個数・程度により金額が大きく異なります。費用相場は以下の通りです。

  • 修理費用:10,000~1,000,000円

バンパーやボンネット、ワイパー等の傷・へこみであれば1〜5万円程度で修理できます。

エンジン不備やフレームの変形といった修理は、費用が300,000〜500,000円と高額になり、希少な車種になると1,000,000円ほどかかる場合があるので要注意です。

事前に見積もりをとり、妥当な金額かを判断しましょう。

不動車を処分する方法③下取りしてもらう

廃車や修理は費用が発生する処分方法である一方、車を売却して利益を得る処分方法が存在します。売却する方法のひとつが「下取り」です。

中古販売業者やディーラーに車を査定してもらい、買い取り額を新たな車の購入代に充てることで、お得に新車を購入できます。事故等で車が不動になり、次の車を購入したい場合は、うってつけの方法です。

査定額は全額車の購入代になるため、売却といっても利益は手元に残りません。加えて、車の状態次第では値段がつかなかったり、廃車にする分の手数料を支払わなければならない場合があります。

手順と必要書類

不動車を下取りしてもらう手順と必要書類は以下の通りです。

  1. 業者を選定し、査定してもらう
  2. 下取りを依頼し、新車を購入する

修理する場合と同じく、業者選定時に相見積もりをとったり、業者やディーラーの説明を吟味したりして、慎重に判断してください。

下取りに出す際の必要書類

  • 自動車検査証・車検証
  • 自賠責保険証明書
  • リサイクル券(A・B券)
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 印鑑証明書
  • 実印・認印

売却するには車籍を抹消しなければなりません。そのため、下取りしてもらう際には、並行して廃車手続きを進める必要があります。

手続き自体は業者に代行してもらえる場合がほとんどです。必要な書類について業者に確認し、指示に従って用意してください。

不動車を下取りに出す際の費用相場

不動車を下取りしてもらうこと自体には費用が発生しません。売却して得られた利益はすべて新車購入代に充てられるため、差し引きして残った新車の購入代を支払う必要があります。

処分する車の状態次第で新車購入にどのくらい費用がかかるかが変わるため、事前に査定額を確認しておきましょう。

不動車を処分する方法④買取りしてもらう

下取り同様、処分する予定の不動車を売却して利益を得るのが「買取」です。不動車をはじめとする廃車専門の買取業者に依頼すると、高額で車を引き取ってもらえる場合があります。

走行できなくなった車を保管する必要がない場合は、手放して廃車にするよりお得に処分できるのでおすすめです。

加えて、廃車専門の買取業者の場合、売却するのに必要な廃車手続きの代行からレッカー車の手配・運搬まで、面倒な手続きを無償で対応してくれます。

一度引き取ってもらった車は、後々取り戻せなくなるのがデメリットです。コレクションとして自身で車体を保管したい場合や、長期の出張中だけ一時的に廃車にしたい場合はおすすめできません。

手順と必要書類

不動車を買取してもらう手順と必要書類は以下の通りです。

  • 業者を選定し、査定してもらう
  • 買取してもらう

下取りと同じく、業者を選定し、査定額を確認の上で買取の決断をしてください。買取専門業者の中には、オンラインで簡単に査定できるサービスを提供している場合があるので便利です。

買取を依頼する際の必要書類

  • 自動車検査証・車検証
  • 自賠責保険証明書
  • リサイクル券(A・B券)
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 印鑑証明書
  • 実印・認印

廃車手続きを並行して進める上で必要な書類があるため、業者の指示に従い準備してください。

不動車の買取を依頼する際の費用相場

下取り同様、買取自体に費用はかかりません。手続きの代行やレッカー車の手配・運搬がサービスに含まれている場合がほとんどで、不動車を安心して処分できる点が強みです。

不動車を処分するなら「専門店での買取り」を最もおすすめしたい理由

不動車の処分方法で最もおすすめな方法は、「廃車専門の業者で買取してもらう」です。買取専門店の強みや、買取してもらうメリットを紹介します。

買取条件がなく、高値で買い取ってくれる

専門店での買取は、中古車販売店や中古車ディーラーに比べて、買取額が高値になりやすくおすすめです。

そもそも中古車販売店や中古車ディーラーは、下取りで車を仕入れて、中古車として販売するお店です。

そのため、次の車の購入を条件にしていたり、中古車として販売することができなかったりする不動車は、下取りできない場合があります。

廃車買取業者は、自動車としての価値がない不動車であっても、再利用可能なパーツやアルミ・鉄といった素材単位で価値を査定できるのが強みです。
不動車を高値で買い取ってほしい場合は、買取専門店を利用しましょう。

レッカー代などが無料で、手続きも行ってくれる

不動車の買取であれば、レッカーの手配から運搬まで無償で対応してもらえる点が、買取専門店の魅力ポイントです。不動車の場合は車を自力で動かせないので、何らかの方法でお店や業者まで運ぶ必要があります。

中古車販売店や中古車ディーラーの場合、運搬のためのレッカー代を手配してもらうと、別料金になるのが一般的です。

廃車買取業者は廃車を専門に扱っているため、多くの業者でレッカー代を無料としており、廃車に必要な手続きまで代行してくれます。中古車販売店等でレッカー代を支払うより、レッカー代が無料の廃車買取業者で処分をし、手続きも無料で代行してもらえれば一石二鳥です。

ネットの査定が最短10分でできる

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