廃車時に必要な保険の手続き
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車を廃車にする際に気をつけなればいけないのが、自動車保険です。
車に乗っている間は、万が一に備えてなくてはならない存在だった保険も車を処分すれば無用の長物となります。
その場合に行うべき手続きについてご説明します。
自賠責保険は残った分の費用が戻ってくる
自賠責保険は車を登録する際に加入が義務付けられており、強制保険とも呼ばれています。車に乗り続けている以上解約はできません。
もし、人身事故が起こった時、加害者に賠償金の支払い能力が全くなければ、被害者は泣き寝入りをするしかなくなるのでそれを防ぐためです。
したがって、廃車手続きをして、初めて自賠責保険の解約が可能となります。
その際、保険の有効期限が1ヵ月以上残っていれば、残金が解約返戻金として戻ってきます。ただ、廃車手続きをすれば自動的に自賠責保険が解約されるわけではないので、気をつけてください。
自賠責保険の解約をするには、まず、廃車手続きを終えた後に、陸運局で「登録事項等証明書の交付請求」を行います。
そして、登録事項等証明書のコピー、自賠責保険の原本、身分証明書、認印を持参して保険会社に行き、所定の手続きを行えば終了です。そうすれば、保険料の残金は後日、車の元所有者の口座に振り込まれます。
ちなみに、残金の額は廃車手続きをした日からではなく保険の解約手続きをした日から算出されるので、廃車手続きを済ました後は、なるべく早く保険会社に行った方がよいでしょう。
任意保険は解約した方がいいの?
自賠責保険で補償されるのは、人身事故における相手への損害賠償だけです。
物損事故や自分自身の怪我に対する補償は一切ありません。
そこで、大抵の人は、より広範囲の補償が受けられる自動車保険を自ら選択して加入しています。それが、任意保険です。
廃車手続きをした時には、自賠責保険と同じで、任意保険も解約しておいた方がお得です。ただ、気をつけないといけないのが等級の問題です。
等級とは、保険に加入しているドライバーがどれだけ優良かを示す指標で、車を10台以上保有しているとフリート等級、10台未満だとノンフリート等級になります。
したがって、個人で契約する場合、大抵の方はノンフリート等級です。
等級には1から20まであり、新規契約の時は通常6等級からのスタート、1年間無事故だと等級がひとつ上がります。
さらに、最高等級は20等級で、最大63%の割引されます。反対に1等級まで下がれば108%の割増となり、事故を起こさない限り、任意保険は長期間加入し続けた方がお得なのです。
ところが、廃車手続きに伴って保険を解約すると、せっかく上げた等級を手放さなければなりません。そこで、利用したいのが、中断証明書です。
保険会社に申請してこれを取得すると、再加入した際に元の等級を引き継げるのです。その適用期間は会社によっても違いますが、最長で10年にも及びます。
ただ、車を廃車にした数カ月後に新しい車を購入するという場合には、中断をせずに継続した方が得になるケースがあるので、まずは保険会社と相談をしてみましょう。
買い替えるなら車両入替申請
自動車保険の補償は車に対して掛かっています。したがって、契約した時とは別の車で事故を起こすと補償が受け取れなくなってしまいます。
そうした事態を避けるには、新しい車と買い替えた際に、車両入替申請をしなくてはなりません。
この手続きをすれば、今まで契約していた内容が、古い車から新しい車へと移ります。
ただ、どんな車でも車両入替申請ができるわけではないので注意が必要です。この手続きが行えるのは以下の車両だけです。
- 自家用普通自動車
- 自家用小型乗用車
- 自家用軽四輪乗用車
- 自家用小型貨物車
- 自家用軽四里貨物車
- 自家用四輪貨物車(最大積載量0.5トン以下)
- 自家用四輪貨物車(最大積載量0.5~2トン以下)
- 特殊用途自動車(キャンピングカー)
例えば、自家用普通車から高所維持作業車への車両入替申請はできません。
ちなみに、この手続きができるのは、以前の車の所有者の他に、自動車保険の被保険者、被保険者の配偶者、被保険者及びその配偶者と同居している親族です。
手続きのタイミングは、納車日が決まって新しい車の車検証が発行された直後がベストです。納車予定日をメモし、新しい車検証のコピーを持って保険会社で手続きを行いましょう。
また、車の種類や新しさによって保険料が違ってきますので、この時、残っている保険料の差し引き額も清算します。
そして、もうひとつ覚えておきたいのは、手続きするのを忘れたケースです。車両入替申請をするのが、数日遅れたために補償が受けられないとなれば、後悔してもしきれません。
そこで、救済措置として、車を買い換えてから30日間は、新旧どちらの車でも補償が受けられる猶予期間となっています。
しかし、猶予期間があるからとのんびり構えている内に、その期日も過ぎて事故を起こしてしまっては目も当てられません。納車日が決まれば、すぐに手続き行うことを心掛けてください。
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