廃車とは？ 車籍を抹消する手続きの方法と費用相場

更新日: 2024-10-30

「ほとんど使わない自家用車の自動車税を払い続けたくない…」
「車を処分したいけど、どう進めたらいいかわからない…」

さまざまな理由で自家用車やバイクを廃車・処分する際は、適切に処分を進めなければなりません。

具体的にどのような手続きをするのか、費用がどのくらいかかるのか、情報をまとめました。

廃車とは？

そもそも自家用車やバイクを「廃車する」というのは、具体的に何をすることなのかご存知ですか？廃車手続きによりできること、廃車以外の処分方法との違いを解説します。

廃車とは車籍の抹消

ひと言で表すと、「廃車＝車籍を抹消する」です。

車籍とは、車一台ずつに付与された戸籍のようなもので、車籍が残っている限りは自動車の所有者とみなされ、自動車税の納税義務が発生します。
車を処分したい場合、必要な手続きを経て車籍を抹消しなければなりません。

車は事故や故障、経年劣化の具合にあわせて修理が必要です。車自体の価値を維持する以上に修理費用がかさむようであれば、維持費を節約するために車の廃車・処分を検討しましょう。

廃車すると、前もって支払っていた各種税金の一部が還付金として戻ってくる場合があります。
自動車税・自動車重量税・自賠責保険料・任意で加入している保険料が該当しますので、それぞれ通知を確認しておきましょう。

廃車だけじゃない！車の処分方法

廃車以外の処分方法として「下取り」や「買取」により車を手放せます。

それぞれの違いは以下の通りです。

• 廃車：今まで使っていた自動車を処分する
• 下取り：今まで使っていた自動車を売却して、得た金額を新たな車の購入に充てる
• 買取：今まで使っていた自動車を売却して、代金を直接受け取る

下取りは中古販売業者あるいはディーラーに問い合わせて査定してもらい、新車購入の手続きと並行して実施します。
あくまで新規に車を購入する前提でのサービスとなるため、車種・年代に大きく左右されない見積もり金額で売買できる点がメリットです。

買取を専門としている業者では、車を買取する上での査定ができます。買取した車は、業者を介して海外向けに販売したり、部品を売買したりするため、車の状態により高値での取引が可能です。

当社が提供している廃車専門の買取サービス「車選びドットコムの廃車買取」では、高価格での買取に挑戦しています。査定は無料で承りますので、気軽にお試しください。

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廃車はいつやるべき？車を処分する基準・タイミング

せっかく購入した車、本当に廃車にすべきか迷いますよね。どのような基準・タイミングで廃車の判断をすべきか解説します。

修理代・維持費が買い替えするよりも高額になった

廃車を判断する基準のひとつが、修理代・維持費です。車は乗り続けていくうちに経年劣化し、修理や維持に費用が発生します。
かかる費用が高額になり、買い換えた方がお得であれば、廃車・処分を検討しましょう。

予期せぬ事故で車が破損・故障し、新規購入よりも修理する費用の方が高くなる状態を「全損」と表現します。
全損した車は費用がかさむだけでなく、修理しても自走しない可能性が高いため、廃車・処分の対象となるのが一般的です。

あわせて、車が劣化するにつれて燃費が悪くなり、場合によっては新車に比べて、ガソリン代が2倍近くに跳ね上がります。車の修理・維持費に加えて、燃料費にどのくらい金額がかかっているか、事前に確認しておくのがおすすめです。

購入後から20年近く経過し、走行距離が20万kmを超えた

購入から年月が経過するほど車としての機能維持が難しく、修理の費用がかさむため、廃車を検討する必要があります。

車を手放す節目は10年単位とされ、20年経過すると処分する場合が一般的です。
また、走行距離が累計で20万kmを超えると車にガタがきやすいため、処分時期の目安にしてください。

修理・維持費用だけでなく、自動車税の金額が、新規購入からの経過年数により変動する場合があります。

古い車が排出する地球温暖化の影響を考慮し、エコカーでない車を13年以上継続して乗用している場合、自動車税が約15％増加するため、該当する場合は税額を確認しておきましょう。

修復歴があり、完全に修復できない状態となった

これまで何度も修理・修復を繰り返してきた車は、車の機能的に完全な修復が難しく、廃車の検討をおすすめします。
修復歴がある車は中古市場で不人気となり、買取価格が大幅に下がるため、車を売りたいと考えている場合は注意が必要です。

そもそも古い車は、修理のための部品が手に入らず、修理できない場合があります。歴史のある車体をコレクションとして保管したいような熱量がない限りは手放すことを検討しましょう。

ほとんど乗用していない

車は車籍が残っている以上、所有者に自動車税の納税義務が発生し続けるため、普段乗用しないのであれば廃車・買取するのがおすすめです。

一般的な例として、事故等で入院を余儀なくされたり、長期出張が入ったりした際に、自家用車を廃車するケースが見受けられます。

【種類別】廃車手続きのやり方とは？必要書類と費用相場

廃車の手続き方法には種類があり、必要な書類や費用感が異なります。種類別に情報を整理して紹介しますので、手続きする前に目を通し、事前準備にお役立てください。

廃車手続きの種類

廃車手続きの主な種類は以下の2つです。

• 永久抹消登録
• 一時抹消登録

同じ廃車手続きの中でも、車一台ごとに付与されている登録情報（車籍）を完全に抹消し、車の所有権を完全に手放すには「永久抹消登録」が必要です。
下取り・買取する場合は永久抹消登録が必須であるため、検討している場合は忘れずに手続きしましょう。

入院・出張により一時的に車籍を消去して自動車税の対象から外れたい場合は「一時抹消登録」がおすすめです。
一時抹消登録は一時的な車籍の削除になるため、時期をみて中古車として新規登録すれば、再度車に乗用できます。

なお、一時抹消登録をした後、車籍を復帰させずに完全に抹消する場合の手続きは「解体届出」と呼ばれています。

廃車手続き方法（必要書類・費用相場）

種類別に手続きの手順・必要な書類や費用は以下の通りです。

永久抹消登録の手続きをする場合

永久抹消登録を実施する場合は、まず下記の必要書類を準備しましょう。

• 永久抹消登録の申請書
• 自動車検査証（車検証）
• 自賠責保険証
• ナンバープレート
• リサイクル券（A・B券）
• 収入印紙（手数料の納付書）
• 印鑑証明書
• 実印
• 身分証明書（運転免許証、マイナンバーカード等）

車籍の登録地にある運輸支局あるいは自動車検査登録事務所（軽自動車の場合は軽自動車検査協会）にて手続きが可能です。
永久抹消登録の申請書は所定の手続き場所で取得する他、オンライン上からダウンロードも可能です。

手続きを業者や家族・知人に委託する場合は、上記の書類に加えて、手続きの委任状や譲渡証明書を用意しなければなりません。

運送事業で自家用車を使用している場合や、所有者の名前が結婚等で変わっている場合、追加で提出資料を求められる場合があるため、事前に申請場所に問い合わせておくのがおすすめです。

次に永久抹消登録の手続きをする際に発生する費用相場は下記のとおりです。

• 廃車手続き：350～800円
• 車体を解体する場合：プラス15,000～30,000円
• レッカー車で運搬する場合：プラス15,000～20,000円

手数料は一律で350円、印鑑証明書は個人なのか法人なのかで金額が異なり、個人は300円、法人は450円かかります。

手続きにかかる諸経費に加えて、車体を解体する場合や、事故により故障した不動車を運搬する場合は、別途費用が発生します。

解体は30,000円前後、レッカー車は手配・運搬で20,000円前後かかるのが相場です。
買取業者に委託する場合は、レッカー車の運搬を無料で対応してくれる場合があるので、事前に確認しておくのがおすすめです。

一時抹消登録の手続きをする場合

一時抹消登録を実施する場合は、下記の必要書類を準備しましょう。

• 一時抹消登録の申請書
• 自動車検査証（車検証）
• 自賠責保険証
• ナンバープレート
• 収入印紙（手数料の納付書）
• 印鑑証明書
• 実印
• 身分証明書（運転免許証、マイナンバーカード等）

一時抹消登録を手続きする場所は、普通車の場合は陸運支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会です。必要書面はほぼ同じで、完全に廃車する訳ではないのでリサイクル券が不要です。

次に一時抹消登録の手続きをする際に発生する費用相場は下記のとおりです。

• 廃車手続き：350～800円

一時抹消登録は一時的な車籍の抹消であり、車の解体や運搬が発生しない分、かかる費用が安価です。永久抹消登録と同じく、一律350円の手数料と、印鑑証明書代が費用として発生します。

廃車手続きを自力でやる際の注意点

必要な書類を取り揃えれば、廃車手続き自体はひとりで実施可能です。ただし、自力でやる場合のデメリットがあるため、事前に注意点を把握しておく必要があります。

手続きに手間がかかる

手続きに手間がかかる点は、自力で廃車手続きする際に注意すべきポイントです。

細かな書面を自分ひとりで用意するのはもちろん、車が自走できない状態の場合は、レッカー車を手配し、車を運搬してもらわなければなりません。

その上、運輸支局や軽自動車検査協会が営業している平日にしか手続きができず、仕事の都合がつく平日のうちに、複雑な手続きをすべて完了させる必要があります。
手続き内容に不備があれば再度手続きしなければいけないため、十分準備してのぞんでください。

代行より費用がかかる場合がある

申請手続きに加え、車の運搬・解体まで実施する場合、代行してくれる業者に頼んだ方がコスト的にお得に済む場合があります。

廃車専門の買取業者には、レッカー車の手配・運搬を無償で対応してくれるところが多く、手続き代行の手数料を差し引いても得になる場合があるため、事前に確認しておくのがおすすめです。

手続きの準備に手間取り、完了する時期が月をまたぐと、遅れた分だけ自動車税の還付金額の減額につながる恐れがあります。

できる限りお得に手続きを進めるには、自力で手配する方法だけでなく、専門業者に相談・委託して、廃車手続きの代行を検討しましょう。

そもそも廃車できない場合がある

車をローンで購入した場合、所有者がローン会社やディーラーになっているケースがあります。

所有者が手続きする本人ではなくローン会社・ディーラーになっている場合は、所有権解除の手続きをしない限りは廃車手続きができません。

所有権を解除する際にはローン会社・ディーラーに連絡し、相談する必要があります。ローンの残債が残っている場合は、完済後でないと所有権を変更できないのが一般的です。

廃車手続きできるかどうか不明であれば、専門業者に問い合わせして相談しておくのをおすすめします。

当社で運用している「車選びドットコムの廃車買取」をご利用いただければ、買取のご相談はもちろん、手続きに関する不明点や疑問を解消しながら車の手続きができます。

廃車は専門業者を活用して適切に処置しよう

自家用車やバイクを長期で使用しない場合は、廃車手続きにより車籍を抹消して、自動車税の対象から外すのがおすすめです。

ただし、正しい手続きの処置や必要書類を把握しておかないと、余計に手間や費用がかかり、かえって損してしまいかねません。

廃車手続きを自分でやる以外に、下取り・買取といった処分方法を検討し、適切な方法で車を処分するのがおすすめです。