車を長期間保管するベストな方法

海外赴任などで車をしばらく使わないという時、心配なのは車のコンディションです。

車は使っている時よりも、しばらく使わなかった時の方がトラブルを起こしやすいものです。

そこで、車を長期保管する際の注意点についてご説明していきます。

まずは一時抹消の手続きを行う

車の保管方法を考える前に、忘れてはならないのが一時抹消登録の手続きです。

うっかりそのまま長期間留守にしていると、1年間全く車に乗っていなかったのに自動車税の請求書が届いてしまう、なんて羽目に合うこともあるのです。

言うまでもありませんが、一時抹消登録を行うと、その車は公道を走れなくなってしまいます。
登録をした後に、車が必要になったなどということのないように、手続きのタイミングはしっかりと考えましょう。

一時抹消登録をすれば、自動車税の請求がストップするだけでなく、自動車税と自賠責保険の還付も受け取れます。
ただし、自動車重量税は返金されないので気をつけてください。自動車重量税に関しては、還付を受けられるのは、車を解体して自分が最後の所有者だと確定した場合だけです。

ちなみに還付金は、自動車税なら一時抹消登録の手続きをした翌月から次の3月までの税金、自賠責保険なら1ヵ月以上残っていれば残額すべてが返金されます。

また、手続きが終了すると、登録識別情報等通知書を渡されます。
この書類は、一時抹消を取り消して、再び車に乗る時に必要なものなので大切に保管してください。もし、紛失しても再交付はされず、再登録の際の手続きが面倒になってしまいます。

転勤で長期間車に乗らない場合

車の長期間保管方法

車は何か月も動かさずにいると必ず不調をきたします。家族や知人に頼めるのであれば、定期的にエンジンをかけてもらえばいいのですが、無理な場合は、できるだけ良い条件で保管したいものです。

まず大前提として、保管は屋内でしてください。長期間紫外線や風雨にさらされていると車体が色あせ、傷みやすくなってしまいます。
適当な場所がない時は、カバーをかけておきましょう。それも、安いビニール製のものではなく、車専用の丈夫なカバーが理想です。

また、車のバッテリーは、自走による蓄電がなければ1カ月ほどで上がってしまいます。それを防ぐために、バッテリーのターミナルは外しておきましょう。

プラスとマイナスがありますが、万が一発火しないように両方外しておくのが無難です。

難しいのはガソリンタンクで、満タンにするとガソリンの水分によって内部がサビてきますし、空にしておくと結露によるタンクの破損や燃料ポンプの劣化が心配です。
しかし、総合的に考えると、タンクを満タンにしておいた方が、リスクは少ないでしょう。

ただ、いくら万全を期しても、長期間の保管は想像以上に車の劣化を速めます。長期保管専門の業者に頼む手もありますが、そうなると費用もかさみます。

手間と費用を考えるなら、一旦、車を売り払い、再び必要になった時に中古車を購入する方が良いかもしれません。

廃車予定の車を保管する場合

近々処分をしようと考えている廃車寸前の車でも、いい加減に保管するのは得策ではありません。というのも、将来買取業者に引き取ってもらうことにした場合、車の状態によって査定額も変わってくるからです。

最近は廃車専門の買取業者が増え、以前ならスクラップにするしかなかった車でも、利用価値が見出されるようになりました。

例えば、修理をして海外に輸出したり、オークションで売却したり、車本体が使い物にならなければ解体してパーツを再利用したりと、廃車も様々な使われ方をされるようになっています。

ですから、たとえ自走しない車であっても、お金になる可能性はあります。

とは言え、保管状態が悪ければそれだけ査定額が下がるのは、通常の買取と同じ。そのため、廃車寸前の古い車でもなるべく大切に保管した方がよいでしょう。定期的に、車を磨き、車内はきれいに掃除をしておくのが賢明です。

ただし、故障個所を本格的に修理する必要はありません。そこまでしても、修理費を上回るほど査定額がアップする可能性はほぼゼロです。お金をかける必要はなく、現状の中で、最良の保管状態を維持するだけで十分です。

車の維持費ってどのくらいかかっているのか?

たとえ乗らない車であったとしても処分せずに維持するとしたら、維持費はどれくらいかかるものなのでしょうか?

車検代

車検は、通常の自家用車であれば2年おきに受ける必要があります。ディーラーに頼めば、車検費用の相場は法定費用+4万円~10万円程といわれています。

ディーラーに頼まず民間の車検請負工場に依頼する場合も、相場は法定費用+2.5万円~8万円程といわれています。

自賠責保険と任意保険

車検を通すには自賠責保険に加入することが義務付けられています。自賠責保険は保険金が小額なうえ対人賠償しかないので重大な事故に対応できません。

そこで任意保険に加入する必要があります。任意保険はほとんど対人・対物無制限で、あらゆる事故に対応できるように設定されているものが多いですが、保険料は年間3万円から10万円くらいと幅があります。

この差は加入者の保険使用回数や免許証の色によるものです。たとえば無事故無違反で免許証がゴールドの場合は、ノンフリート等級が最高の20等級になって一番保険料が安くなります。

自動車税

また自動車税は排気量によって異なりますが、毎年春に軽自動車であれば10,800円、普通自動車であれば25,000円〜(総排気量・新車登録時期による)を納めなければなりません。

駐車場代

そして自宅に駐車場がない場合は、外部で駐車場を借りなければなりません。駐車場代は場所によって差がありますが、地方でも毎月5千円程度の利用料金が設定されており、都心部では3万円から5万円程度かかります。

これは年間で6万円から60万円もの出費になり、上記の保険料や税金に比べても最も大きい負担になります。

車の維持費まとめ

  • 車検代:2年おきに数万円程度〜20万円程度(点検を依頼する場所による)
  • 保険料:年間3万円から10万円くらい(保険使用回数や免許証の色による)
  • 自動車税:軽自動車は10,800円、普通自動車は25,000円〜(総排気量による)
  • 駐車場代:年間6万円から60万円(地域による)

乗らない車は売却するべき

乗らない車を動かさずに放置しておくと、維持費がかかるだけでなくどんどん車の劣化が進みます。車が劣化すると修理費がかさむので更に出費が増えることになります。

長期間乗る必要がないことが明らかなら、車が傷む前に売却する方法を考えた方が賢明です。車の名義やローンの残額には配慮が必要ですが、所有者が明確であれば一定の手続きで容易に売却できます。

買取一括査定で売却する

乗らない車を処分する際には、まだ動く車であれば廃車を考える前に一括査定に出して売却する方法を一考しても良いでしょう。

一括査定に出すには、ネットで自分の車の車種・年式・連絡先を入力して査定を申請するだけで十分です。電話番号を登録しておけば、複数の業者から連絡が入ります。

自分の都合の良いときに業者に車を持ち込めば、隅々まで点検して査定額の見積もりを出してくれます。

自分で持ち込めないときは駐車場の場所を業者に伝えれば、業者が見に来て外観から判断できるおおよその査定額を提示してくれます。
複数の業者の出した見積もりのうちで、最も高い価格を提示した業者と取引すればよいということになります。

業者も買取したい以上、交渉次第で値段を上げてきます。そもそも中古車の買い取り価格に公式な基準のようなものは存在しないので、売り手と買い手の駆け引きで決まるのです。

車選びドットコムの一括査定」では、サイト内でおおよその買取相場を調べることができます。売却を検討される方はぜひ一度愛車の買取相場を調べてみましょう。

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