廃車で印鑑証明は何通いる?発行方法と注意点

普段、廃車処理などはめったに行うものではありません。そのため、いざその時になると必要な確認が抜け落ちがちです。

チェックすべき事柄は色々ありますが、特に車検証と印鑑証明との住所及び氏名の一致は重要な問題です。

そこで、陸運局を訪れる前に確認すべきポイントについてご説明します。

廃車による印鑑証明は何通いる?

廃車手続きに必要な印鑑証明書の枚数

印鑑証明は、役所に登録した印鑑(実印)と本人の結びつきを証明するための書類です。

ローン契約や自動車の購入・廃車をはじめとした重要な契約の際に、間違いなく本人が契約を交わしたことを示すために、印鑑証明の提出と押印を実施します。

印鑑の登録手続きが済んでいる場合は、印鑑の登録を証明する「印鑑登録証明書」が役所やコンビニなどで発行できます。この印鑑証明が廃車手続きの際にも必要です。

普通自動車を廃車にする場合

自分で普通自動車を廃車にするときは、印鑑証明を1通用意してください。

業者に廃車手続きを依頼する場合、還付委任状(還付金の受取先を指定する書類)の作成が必要な可能性があります。
還付委任状の作成には印鑑証明が1通必要なため、廃車手続き用と還付委任状用の合計2通を用意しましょう。

事前に、依頼業者に「印鑑証明は何通必要か」確認しておくと、間違いなく必要な数だけ準備できます。

軽自動車を廃車にする場合

軽自動車を廃車する際は、基本的に印鑑証明は不要です。

ただし、ローンを完済していなく車の所有者が自分以外(ローン会社など)の場合は、名義変更のために印鑑証明が必要です。

車の所有権解除(ローン会社などから自分へ名義変更をすること)をしないと、廃車手続きに進めないため、必ず所有者の名義の確認をしましょう。

廃車で必要な印鑑証明の発行方法

印鑑証明の発行は、以下の手順で実施可能です。

①印鑑登録を済ませているか確認する

印鑑登録をしていなかったり、登録をしていたが結婚などで名前が変わったりした場合は、印鑑登録が必要です。

必要な書類などを、自治体の窓口で提出すれば印鑑登録が完了します。(15歳以上で顔写真付きの身分証を所有している方のみ)手続きはすぐに終わるため、登録当日の印鑑登録証発行も可能です。

登録に必要なものは下記のとおりです。

  • 印鑑
  • 印鑑登録申請書(窓口で受取可能)
  • 身分証明書(運転免許証など顔写真付きのもの)

登録できる印鑑は、印影(印鑑を押したときに残る朱肉のあと)の大きさが8〜25mm程度で、本人の名前や名字が刻まれているもののみです。
シヤチハタ(ゴム印やスタンプ式のハンコ)や、名前以外の情報(社名など)が刻まれた印鑑は登録できません。

家族が登録している印鑑も登録できないため、ご自身の印鑑を用意してください。印鑑登録にかかる手数料は自治体で異なるため、事前に確認しましょう。

②印鑑証明書を取得する

すでに印鑑登録が完了している方は、役所や証明サービスコーナー・コンビニのマルチコピー機から発行ができます。

下記では、役所や証明サービスコーナーで取得する場合と、コンビニのマルチコピー機で取得する場合の方法を説明します。

役所や証明サービスコーナーで取得する場合

役所や証明サービスコーナーで取得する場合は、以下のものを準備しましょう。

  • 印鑑登録証(印鑑登録カード)やマイナンバーカード
  • 運転免許証など本人確認ができるもの
  • 印鑑登録証明書交付申請書(窓口で受取可能)
  • 手数料

代理人に申請をお願いする場合や、マイナンバーカードをもっていない場合は、役所か証明サービスコーナーで印鑑証明を取得します。休日や営業時間があるため、事前に確認をしておきましょう。

コンビニのマルチコピー機で取得する場合

コンビニのマルチコピー機で取得する場合は、以下のものを準備しましょう。

  • マイナンバーカード
  • 手数料

マイナンバーカードやコンビニ利用の登録が済んでいる住民基本台帳カードをもっている場合は、コンビニのマルチコピー機で印鑑証明を発行可能です。
年末年始を除く6時半〜23時の時間帯で取得できるため、役所などを訪れる時間的な余裕がない方におすすめします。

コンビニでの発行手続きができるのは、本人のみです。手続きでは、マイナンバーカードの暗証番号の入力を求められるため、事前に確認しておきましょう。

廃車手続きに用いる印鑑証明の有効期限は、発行から3か月以内です。廃車の代行業者や陸運局に書類を提出する期日から逆算をして、有効期限切れにならないタイミングで発行してください。

印鑑証明が用意できないときの対処法

印鑑証明を用意したくても、用意ができない場合があります。ここでは以下の、印鑑証明が用意できない主な原因の対処法を紹介します。

  • 引越しなどで車検証の住所が違う
  • 結婚などで氏名が変わった
  • 実印が手元にない

引越しなどで車検証の住所が違う

印鑑証明に書かれてある住所と車検証の所有者住所は一致していなければなりません。もし異なる場合は、その理由によって、それぞれ別の書類が必要になります。

引っ越しで住所が変わった場合は、住民票が必要です。もし2回以上引っ越しをしている場合は、住所履歴が記載してある戸籍の附票を入手しなければなりません。
附票に直前の住所が記載されていなければ、同時に住民票も必要となります。

住民票は、住民登録をしている役所で請求できますが、戸籍の附票を取得できるのは、本籍地の役所だけです。
本籍地と離れた場所に住んでいる場合は、郵便で取り寄せることができる地域もあるため、まずは本籍のある役所に連絡をして具体的な請求方法を確認してください。

結婚して住所が変わった時は戸籍謄本が必要となります。これも本籍地の役所が管理しており、郵送での請求が可能です。

珍しいパターンとしては、市町村が合併して住所が変わる場合があります。その時は、各自治体が町名地番変更証明書などを無料で配布しているのでもらってきましょう。
単に『××村』が『××町』に変わっただけの場合は特に書類は必要ありません。

結婚などで氏名が変わった

車検証の所有者名と印鑑証明の氏名が別人の場合は、廃車手続きはできません。結婚で姓が変わった、あるいはなんらかの理由で本名が変わったという時は、確認のために戸籍謄本が必要となります。

車の所有者と別人である場合は、名義変更をした後に廃車、という流れになります。
その際は車検証に記載されている所有者に連絡をし、実印を押した譲渡証明書と委任状、3か月以内に発行した印鑑証明書を用意してもらってください。

詳しくは「名義の違う車を代理で廃車する方法」にて紹介していますのでご覧ください。

実印が手元にない

印鑑証明の発行で必要な実印を紛失したり、実家などにあり手元になかったりする際は、以下の対処法を実行してください。

紛失した場合

印鑑をなくした場合は、新しい印鑑を用意して印鑑登録をし直しましょう

通常と同様の手続きで登録を済ませたら、印鑑証明を発行できます。委任状を用意すれば、代理人を介した登録も可能です。

実印の紛失に気づいたら最初にとるべき行動は、紛失した実印の効力をなくすことです。自治体の窓口に登録印鑑亡失届を提出して、悪用されないように対策をしてください。

登録印鑑亡失届を出すと、紛失した実印を使った印鑑証明書の発行を防止できます。

実家などに置いていて手元にない場合

印鑑が手元にないが紛失していない場合は、印鑑証明書の準備が可能です。実印がなくても、印鑑登録証やマイナンバーカードを用いて印鑑証明を発行できます

印鑑登録証も手元にない・マイナンバーカードを作成していない状況ですぐに実印をとりに行けないときは、実印が必要な廃車手続きの書類を郵送して、押印・返送をしてもらいましょう。

郵便物のやり取りには数日間かかるため、余裕をもって行動することをおすすめします。押印の漏れがないように、押印が必要な箇所にふせんを貼って郵送するなど、依頼相手にわかりやすい工夫をしてください。

廃車手続きをお得に実施するコツ

廃車をする際は、車購入時に配布されている「自動車リサイクル券」を使えば、かかる費用を削減できます。

車検証と自動車リサイクル券があるかを確認して、もし紛失していれば、車検証は運輸局で再発行をしてもらいます。
自動車リサイクル券は、自動車リサイクルシステムのホームページに行き、必要事項を入力して印刷をしてください。

また、廃車手続きをすると税金や保険の還付が受け取れる場合があります

例えば、自動車税は4月から3月分を先払いになっているので、廃車手続きをした翌月から次の3月までの税金が返ってきます。8月に廃車手続きをすれば、9月から3月の7か月分が返金されます。

ただし、3月に廃車手続きをした場合、あるいは廃車にしたのが軽自動車の場合には自動車税の還付はありません。

そして、自賠責保険は1か月以上残っていると還付が受け取れます。同じように、車検も1か月以上残っていると残存期間の自動車重量税の返還があります。

ただし、これは車を最終処分する場合のみで、一時抹消登録をする場合には自動車重量税の還付はありません。ご自分の車を廃車にする前に、これらの中で該当するものがないか確認しておき、手続き方法や必要な書類を揃えておきましょう。

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