一時抹消と永久抹消の違いとは?廃車前に知っておきたいメリットとデメリット
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廃車と言えば、ボロボロの車をスクラップにしてしまうイメージがあります。もちろん、それも廃車のひとつですが、実は車を解体しない廃車も存在するのです。
2つの廃車の違いとそれぞれ手続き方法・必要な書類について解説していきます。
一時抹消と永久抹消の違いとは?
廃車の手続きにおける、永久抹消登録と一時抹消登録の違いは、今後また車に乗る可能性があるか、ないかです。
一時抹消登録は、二度とその車に乗れなくなる永久抹消登録とは違い、まだその車に乗る可能性を残して手続きができます。それぞれの手続きを、詳しく解説します。
永久抹消登録とは
永久抹消登録とは、二度とその車が使用できなくなる手続きのことです。老朽化した車や修復不能の事故車を処理したい時に選択します。
永久抹消登録をするには、車を解体しなければなりません。しかし、津波や土砂崩れなどによって車が行方不明になった場合には、その理由を説明すれば手続きは可能です。もし手続きをしなければ、車に乗れない状態にも関わらず、翌年以降も自動車税を払わなければなりません。
一時抹消登録とは
一時抹消登録は、まだ車に乗る可能性はあるものの、当面使う予定がないといった場合にこの手続きを行います。
長期の入院や海外出張などのケースや、盗難などで手元に車がない状態で、発見されれば乗りたいというケースで選択されます。
一時抹消登録をすれば、永久抹消登録と同じく自動車税の請求はストップします。車は公道を走れなくなり、再び使用する時は、中古新規登録をしなければなりません。
また、一時抹消登録をしたものの、やはりもう使わないので車を処分したいという場合に行うのが、解体抹消登録です。この手続きをすれば、永久抹消登録と同じ扱いになります。
一時抹消登録のメリット
一時抹消登録のメリットは、車を保有しながら節税できる点です。車の解体が不要であるため、手軽かつ簡単に手続きが完了します。
以下より、一時抹消登録のメリットについて解説します。
税金の支払い義務がなくなる
一時抹消登録のメリットは、自動車税(軽自動車税)および自動車重量税の支払い義務がなくなる点です。本来、留学や海外出張などで車を長期間使わない場合も、車を保有していれば自動車税を支払う義務があります。
しかし、一時抹消登録をしておけばこれらの税金を支払う義務がなくなるため、車を保有しながら年間コストを削減可能です。
さらに、一時抹消登録をした場合、すでに支払っている自動車税の還付が受けられます。自動車税は毎年4月1日時点で翌1年後までの自動車税を前払いする税金です。一時抹消登録をした場合は、登録日の翌月から翌年3月分までの自動車税が月割りで還付されます。
ただし、還付の対象は自動車税のみです。軽自動車税は対象外であるため、注意しましょう。
自賠責保険の還付が受けられる
一時抹消登録をすると、自賠責保険の還付金が受け取れます。自賠責保険は人に対してかける保険ではなく、車にかける保険です。一時抹消登録をすれば、公道を走る機能が失われるため自賠責保険が不要になります。
自賠責保険の補償内容はどの保険会社においても一律です。一時抹消登録をした日から保険期間終了日までの残存期間に応じて還付金が受け取れます。解約手続きを忘れると、還付を受けられず無駄な保険料が発生してしまいます。一時抹消登録を終えたら、速やかに自賠責保険の解約手続きに取り掛かりましょう。
永久抹消登録に比べて手続きが簡単
一時抹消登録は、永久抹消登録に比べて手続きが簡単な点がメリットです。車の解体や売却が発生しないため、必要書類を揃えるだけで簡単に手続きが完了します。仕事で時間がない方や出張や入院で急に車が使えなくなった方でも手早く手続きできます。
手続きは管轄の運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)にて行えます。必要書類を準備のうえ持参しましょう。オンライン申請であれば自宅での申請も可能であるため、時間と労力を節約できます。詳しくは自動車保有関係手続のワンストップサービスをご確認ください。
再登録後また同じ車に乗れる
一時抹消登録をした車は、再登録(中古新規登録)をすれば再度同じ車に乗れます。車を完全に廃車するかどうか迷っている場合は、一時抹消登録してからその後の方針を検討するのがおすすめです。
売却や解体処分を検討している間にも、自動車税や保険料は発生してしまいます。無駄なコストをかけないためにも、まずは一時抹消登録をして支払い義務を止めるのが先決です。状況の変化により解体処分をしたい場合は、後からの解体抹消登録(解体届け出)ができます。「やっぱり車を残しておけばよかった」と後悔しないためにも、すぐに永久抹消登録を選択するのではなく、慎重に判断しましょう。
一時抹消登録のデメリット
車を保有しながら節税できる一時抹消登録ですが、デメリットも存在します。以下より、一時抹消登録のデメリットを解説します。
維持費がかかる
一時抹消登録の大きなデメリットとして、維持費がかかる点が挙げられます。月々の駐車場代や車のメンテナンス費用は、車を保有するうえで必要不可欠な費用です。保険料や税金の支払いがなくなるとはいえ、長期間維持費が積み重なれば膨大な金額になる可能性もあります。
一時抹消登録をする際は、再度車が必要になる時期を考慮し、コストがかかりすぎないかの検討も重要です。
自動車重量税の還付が受けられない
自動車重量税の還付は、車を解体処分した時にのみ受けられます。車を残す一時抹消登録では、自動車重量税の還付は受けられません。一時抹消登録で還付が受けられるのは、自動車税、自賠責保険、任意保険の3つです。混同しないよう注意しましょう。
永久抹消登録のメリット
永久抹消登録は車を完全に手放したい場合に有効な廃車手続きです。以下より、永久抹消登録のメリットについて解説します。
維持費がかからなくなる
永久抹消登録をした場合、駐車場代やガソリン代といった維持費がかからない点はメリットです。車を解体し完全に廃車するため、車にかかっていた費用すべてを浮かせられます。
車を走行できる状態に維持する必要もないため、メンテナンス費用や車検代もかかりません。永久抹消登録は廃車時に解体費用やリサイクル費用がかかりますが、長期的に見るとコスト面でメリットがあります。
今後車に乗る可能性がないと断定できる場合は、永久抹消登録を選択するのがおすすめです。
自動車税や自賠責保険の還付が受けられる
永久抹消登録をした場合、一時抹消登録と同様に自動車税の還付が受けられます。永久抹消登録日の翌月から翌年3月分までの自動車税が対象となり、残り期間に応じて還付金の受け取りが可能です。
自賠責保険も自動車税と同様、残りの保険期間に応じて還付を受けられます。永久抹消登録後、忘れずに解約手続きを行いましょう。
自動車重量税の還付が受けられる
永久抹消登録ならではのメリットは、自動車重量税の還付を受けられる点です。自動車重量税の納付は新車購入時、それ以降は車検時が義務付けられています。還付が受けられるのは車を解体した時のみであるため、解体の必要がない一時抹消登録では自動車重量税の還付は受けられません。
自動車重量税の還付は永久抹消登録後、およそ1~2か月で所轄の税務署から入金されます。
永久抹消登録のデメリット
永久抹消登録後は2度と同じ車には乗れません。永久抹消登録には、車の解体が必須です。
どれだけ思い出深い愛車であっても、解体してしまえば再度同じ車に乗ることは不可能になってしまいます。今後絶対に乗る可能性がないと判断できる場合にのみ、永久抹消登録を選択しましょう。
一時抹消登録の方法と必要な書類
一時抹消登録の必要書類
- 一時抹消登録申請書
- 所定の手数料印紙を貼付した手数料納付書
- 3か月以内に取得した印鑑証明および実印
- 車検証
- ナンバープレート
一時抹消登録の方法
- 上記必要書類を準備する
- 申請書を作成する
- 管轄の運輸支局に提出、またはオンラインにて申請する
一時抹消登録は車を解体をする必要がありません。しかし、ナンバープレートは返納しないとならないため、取り外すのを忘れないようにしましょう。
運輸支局で入手する申請書は、一時抹消申請書になります。また、収入印紙代(手数料)として350円が必要です。手続きが終わると一時抹消登録証明書(登録識別情報等通知書)が交付されます。
この書類は車を再登録する際に必要となり、再発行もされないので、大切に保管しておいてください。紛失すると手続きが面倒になります。
オンライン申請書の作成・申請をする場合は、自動車検査登録総合ポータルサイトをご利用ください。
一時抹消登録から永久抹消登録に変更する方法と必要書類
必要書類
- 解体届出書
- 手数料納付書
- 登録識別情報等通知書
- 発行されて3か月以内の住民票
手続き方法
- 登録識別情報通知書(自動車検査証返納証明書)を準備
- 解体業者にて車を解体
- 運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)にて必要書類を提出
一時抹消登録後、車を使用しないと判断し永久抹消登録に切り替える場合は、車を解体しなければなりません。一時抹消登録の際に交付された「登録識別情報等通知書」(軽自動車の場合は自動車検査証返納証明書)を準備のうえ、解体業者に車の解体を依頼しましょう。
解体後は、運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で解体届出書を提出します。
登録識別通知情報等通知書を盗難、または遺失などにより提出できない場合は、提出できない旨を記載した理由書を提出しなければなりません。一時抹消登録後は書類は紛失しないよう、大切に保管しておきましょう。
一時抹消登録から再登録する方法と必要書類
必要書類
- 新規登録申請書
- 手数料納付書
- 自動車重量税納付書
- 登録識別情報通知書(軽自動車の場合は自動車検査証返納証明書)
- 印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)
- 自動車保管場所証明書(車庫証明)
- 自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
再登録(中古車新規登録)の手続き方法
事前準備
- 自動車保管場所証明書(車庫証明)を取得
- 自賠責保険に加入
- 仮ナンバーを取得
- 車検に出す
自動車保管場所証明書(車庫証明)は、車庫が存在する住所の管轄警察署にて取得可能です。再登録には自賠責保険への加入が必要であるため、保険会社や共済などで手続きをしましょう。
再登録前には車検を実施しなければなりません。車検の際は車の持ち込みが必要になるため、公道を走れるよう仮ナンバープレートを取得しましょう。申請は最寄りの市区町村窓口でできます。
手続き方法
- 必要書類を準備
- 運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)にて必要書類を提出
- 新規ナンバープレート取り付け
必要書類を準備のうえ、管轄の運輸支局にて必要書類を提出しましょう。申請完了後、新しいナンバープレートが発行されます。取り付け次第公道の走行が可能となり、申請が完了します。
永久抹消登録の方法と必要な書類
必要書類
- 永久抹消登録申請書
- 手数料納付書
- 車検証
- 3カ月以内に取得した印鑑証明および実印
- ナンバープレート
- マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード
永久抹消登録の手続き方法
永久抹消登録をする際には、先に車の解体をしなければなりません。解体は業者に依頼しますが、その前にナンバープレートを回収しておく必要があります。
解体が終了すると、業者から連絡が入ります。その日付(解体報告記録日)と自動車リサイクル券に記載されている移動報告番号は運輸支局に提出するためメモに残しておきましょう。
他に必要なものは、車検証、3か月以内の印鑑証明および実印です。また、自動車重量税の還付手続きをするのであれば、個人番号カードか通知カードが必要となります。
事前準備
- ナンバープレートを外す
- 自動車リサイクル券に記載されている移動報告番号をメモする
手続き方法
- 車の解体を業者に依頼する、解体報告記録日をメモする
- 運輸支局へ行きナンバープレートを返納
- 窓口で永久抹消申請書と手数料納付書を入手して記入
- 税金と保険料の還付申請手続き
書類が揃えば、運輸支局にて手続きを行います。前後2枚のナンバープレートを返納し、窓口で手数料納付書と永久抹消申請書を入手します。用紙代は地域によって違いますが、100円程度です。用紙に記載事項を書き、必要な書類を提出します。
もし、車検が1か月以上残っている場合は、永久抹消登録申請書と一体になった還付申請書で手続きをすれば自動車重量税の還付を受けられます。自動車税は永久抹消登録を行った翌月から次の3月の分が返ってくるので、自動車税事務所に行って手続きをしてください。
自賠責保険の契約期間が1か月以上残っていれば、還付を受け取れます。手続きは保険会社で行います。手続きをするには登録事項等証明書が必要であるため、運輸支局で交付請求をしましょう。
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一時抹消登録は「車を手放していいのか分からない」と考えた場合に、有効な廃車手続きです。税金や保険料を節約しながら車を所有できる点は、大きなメリットです。
一方で、駐車場代やメンテナンス代などの維持費がかかる点はデメリットでもあります。車を使わない期間が長くなればなるほどコストはかさむうえ、再登録・永久抹消登録に変更する場合は、さらに手間がかかり面倒です。
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