車検切れの車でも廃車できる！手続きの必要書類と費用相場

更新日: 2024-10-29

自家用車を廃車する際、車の状態により手続きの方法・必要書類が変わります。気を付けておくべきポイントのひとつが「車検が切れた車を廃車する」場合です。

車検切れで公道を走れなくなった自家用車やバイクを処分したい場合、どのようにすればよいのでしょうか？

はじめて車を処分する場合でも大丈夫！本記事では、車検が切れた際の廃車に関して、手続きに必要な書類や費用の相場を整理しました。

車検切れの車でも廃車手続きできる

車検が切れている車でも、廃車の手続きが可能です。ただし、車検切れの車を廃車にするには、いくつか注意すべきポイントがあります。

そもそも車検が切れている状態の車は、道路運送車両法により公道の走行が禁止されています。公道での走行が禁止された車を輸送するために、仮ナンバーもしくは積載車の準備が必要です。

仮ナンバーは、赤い斜線の入ったナンバープレートで、本来は公道を走れない車に対して、目的を限定して運転を許可します。
自身で積載車を手配して車体を運ぶのは費用や手間がかかるため、自身で手続きする場合は仮ナンバーを発行するのがおすすめです。

廃車の手続き時、車体を解体したり廃車業者の店舗まで運搬するのに、別途費用が発生します。手続きにより費用感が異なるので、事前に確認しておきましょう。

普通自動車における廃車の手続きは、主に以下の3つの方法があります。

• 永久抹消登録：自動車の登録情報を抹消することで、廃車・解体・売買を可能にする手続き
• 一時抹消登録：自動車の登録情報を一時的に抹消する手続き。入院・海外出張時に利用する
• 移転登録手続き（名義変更）：自動車の登録情報を更新し、所有者を自分から別の人に変更する手続き

永久抹消登録や一時抹消登録は、車検が切れているか否かに関わらず手続き可能です。ただし、移転登録手続き（名義変更）は車検が切れていると手続きできませんので注意してください。

車検が切れた廃車の手続き方法とは

廃車手続きには基本的な流れ・必要な書類があります。発生する費用の相場や手続きすべきタイミングを含め、廃車手続きをする際に必要な情報をまとめました。

廃車手続きの流れ

永久抹消登録や一時抹消登録といった廃車手続きの流れは、基本的には同じ内容です。3つの手順を解説します。

仮ナンバーを発行する

レッカー車や積載車を自身で手配すると、莫大な金額と手間がかかります。事故等で車が一切動かない場合を除き、廃車予定の車は仮ナンバーを設置して、自走して運送するのがおすすめです。

仮ナンバーを交付してもらいたい場合は、各市町村の役所か陸運局で申請します。申請の際には以下が必要になるので、事前に準備しておきましょう。

• 運転免許証などの身分証明書
• 認印
• 車検証
• 自賠責保険証明書

後は、申し込み場所に置いてある自動車臨時運行許可申請書に記入して手続きをします。申請手数料は地域によって異なり、1,000円程度が目安です。
仮ナンバーの有効期限は5日しかないため、スケジュールはあらかじめ決めておき、計画的に行動しましょう。

また、仮ナンバーがあっても、自賠責保険に加入していないと公道は走れません。車検が切れている時は、自賠責保険も切れている可能性が高いので、事前に確認をしてください。
仮ナンバーの運行許可申請にはそれなりの手間がかかるので、時間に余裕を持って行動しましょう。

仮ナンバーの効果はあくまで一時的です。有効期限を過ぎると返却が必要で、期日に遅れると罰金が課せられるので注意しましょう。

車を解体するか、業者に引き取ってもらう

不要になった車体を処分する方法として、「解体する」か「引き取ってもらう（買い取ってもらう）」の2択が考えられます。

解体する場合は、自動車リサイクル法に基づき、適正な自動車の解体処理が不可欠です。単独で解体するのは難しいので、専門業者への委託をおすすめします。

委託先を選定する際は、適切な処置ができる設備を保有しているか、事前に確認しておきましょう。

車を解体せずに、下取・買取で業者に引き取ってもらう方法があります。
車の状態によっては高値で買い取ってもらえるケースがあるので、解体にこだわりがない場合はいったん査定に出すのをおすすめします。

→廃車買取専門業者に愛車の査定を依頼する

運輸支局で廃車手続きを行う

車体の解体・引き取りが完了したら、所定の届出先で廃車の手続きを実施しましょう。

車にはそれぞれ戸籍の役割を果たす車籍が付与されており、廃車手続きにより車籍を正式に抹消できます。抹消した以降は車を所有している権利がなくなり、自動車税がかかりません。

廃車する車が普通自動車なのか軽自動車なのかにより、手続きする場所が異なるため注意が必要です。

• 普通自動車：管轄地域にある運輸支局／自動車検査登録事務所
• 軽自動車：管轄地域にある軽自動車検査協会

廃車する車のナンバープレートを返却しない場合は、毎年自動車税の納付義務が発生します。思い入れがない限りは、ナンバープレートを返却して廃車手続きをしてください。

廃車手続きに必要な書類

廃車手続きをするには、あらかじめ必要書類を準備しなければなりません。スムーズな手続きができるよう、事前に確認し必要な書類に不足がないようにしましょう。

普通自動車の場合

普通自動車の廃車手続きには、以下の書類が必要です。

• 永久抹消登録あるいは一時抹消登録の申請書
• 自動車検査証
• 自賠責保険証
• ナンバープレート
• リサイクル券（A・B券）
• 手数料の納付書
• 印鑑証明書
• 実印
• 身分証明書（運転免許証、マイナンバーカード等）

申請書は所定の申請場所でもらえますので、事前にプリントアウトして持ち込む必要はありません。車検が切れているとしても、車検証は廃車手続きに必要ですので、必ず持参してください。

車の所有者以外が申請する際に必要な「委任状」、運送事業で使用している自家用車の場合にのみ必要な「事業用自動車等連絡書」等、ケースバイケースで必要な書類があります。
手続きをする前に、事前に問い合わせておくのがおすすめです。

軽自動車の場合

軽自動車の場合、手続きの名称が普通自動車の手続きと異なります。

永久抹消登録にあたる手続きが「解体返納」、一時抹消登録にあたる手続きが「自動車検査証返納届」です。以下の書類を準備してください。

• 自動車検査証
• ナンバープレート
• 手数料
• 実印　※認印も可
• 身分証明書（運転免許証、マイナンバーカード等）

軽自動車の場合、印鑑は認印があれば実印でなくてもOKです。

解体返納の場合は、上記書類に加えて「使用済自動車引取証明書」が必要です。

また、「移動報告番号」・「解体報告記録がなされた日」を記入する必要があるので、事前に確認・メモして手続きにのぞんでください。

自動車検査証返納届の場合は、自動車検査証返納届や返納証明書交付申請書といった申請書類を提出します。所定の軽自動車検査協会の様式に従って準備しましょう。

廃車手続きに必要な費用の相場

廃車手続きを自力で進める場合、必要な費用の相場は以下の通りです。

• 車体の引き取り・解体：15,000～30,000円
• レッカー車での運搬：15,000～20,000円
• 廃車手続き費用：350～800円

廃車した車の車体を引き取ってもらったり解体したりするのに30,000円ほどかかるのが一般的です。
不動車の場合は追加でレッカー車を手配する必要があり、追加で約20,000円かかります。

手続きで発生する費用は、普通自動車の場合が収入印紙代（350円）と印鑑証明書代（個人の場合は300円、法人の場合は450円）、軽自動車の場合が自動車検査証返納届代（350円）です。各申請場所で事前に確認しておきましょう。

廃車手続きは中古車販売店やディーラーに依頼して、一括で対応してもらえます。運搬・解体・手続き費用込みで10,000〜80,000円が費用の相場です。
買取専門の業者に頼めば、運搬・解体・手続き費用が買取額で相殺され、実質無料で車を処分できる可能性があるためおすすめです。

廃車する際の解体料は車の所有者が一部負担するよう自動車リサイクル法で定められており、「リサイクル料」と呼ばれています。
法律制定後の2005年1月1日以降は、新車購入時にリサイクル料として支払うよう義務付けられているので、廃車時に別途支払う必要はありません。

廃車しようとしている車が、法律制定前の2004年12月31日以前に新車として登録されている場合は、廃車時に「リサイクル料」として10,000〜20,000円の費用が発生するため注意が必要です。

廃車手続きすべきタイミング

廃車手続きのタイミングに明確な決まりはありません。廃車するまでは車検が切れているか否かを問わず、車を所有しているとみなされ自動車税の支払い義務が発生しますので、廃車を決めたら、早めに手続きしてください。

自動車税の観点では、4月1日より前に廃車手続きを終えておくのがおすすめです。

自動車税は毎年4月1日時点で金額が算出されます。4月1日以降に車を所有していると、自動車税の支払い義務が発生するため、廃車するのであれば3月までに済ませておきましょう。

接触事故等で、自分ではなく相手に過失がある場合は、廃車費用・車検費用を相手に支払ってもらえるケースがあります。焦って自身で手続きする必要はありません。

車検が切れた車の廃車手続きをする際の注意点

車検が切れた車を廃車にする場合、いくつか気を付けておくべきポイントがあります。

場合によっては手続きができなかったり、費用が余計にかかったりしますので、以下注意点を参考に適切な廃車手続きを進めてください。

車検証を紛失したら必ず再発行する

車検が切れているか否かに関わらず、車の廃車手続きには車検証が必要です。

もし車検証を紛失してしまっていると、廃車の手続きができません。車検証を失くした場合は、事前に手続きの上、再発行してください。

手続きは、自動車を使用している本人が、管轄地域の運輸支局か自動車検査登録事務所で再発行の申請をする必要があります。各所の申請様式に従って、必要書類に記入し手続きしましょう。

ローン残債がある場合は必要な手続きをおこなう

車の支払ローンが残っている場合は、廃車手続き時に注意が必要です。

具体的には、車検証に登録されている所有者が車を使用している本人か、ローン会社などの本人以外かにより、対応が異なります。

車検証の所有者と車の使用者が一致する場合、ローンの残債に関係なく廃車手続きが可能です。ローンの手続きを行った銀行への返済義務があるため、銀行への連絡・対応を忘れないようにしましょう。

ローン会社等を利用してローンを組んだ場合は、車検証の所有者がローン会社の名義で登録されています。
車検証に所有者として登録されていない場合は廃車手続きができないため、ローン会社に事情を説明し、対応を相談してください。

仮にローンを完済したとしても、名義はローン会社のままになっている場合がほとんどです。廃車するには名義変更手続きが必要であるため、忘れないようにしましょう。

車検が切れた後の自動車税に注意する

車検が切れると、盗難や紛失の可能性を考慮し課税保留処分となる場合があります。その場合、納税通知書も送られてきません。

しかし、これはあくまでも保留処分であり、この間も納税義務が生じています。通知書が送られてこないからといって、そのまま放置していると脱税になるので注意が必要です。

車検が切れている間の自動車税を払うべきか否かは、自治体によって解釈が異なるので、廃車手続きをする前に自動車税事務所に問い合わせてください。
加えて、2年以上の税金が未納の場合、廃車手続きができなくなるので注意が必要です。必ず廃車する前に支払いましょう。

車の買取やパーツ売買を検討する

車の処分方法として、廃車手続きだけでなく、買取・パーツ売買を検討するのがおすすめです。廃車しようと考えている車が高値で売買できる可能性があります。
事故車で自走できない場合は、解体後のパーツを売買できるケースがあるため、廃車に踏み切る前に査定しましょう。

業者の中には、廃車専門で買取サービスを提供している会社があります。次章より、廃車専門買取サービスを受けるメリットを解説しています。もし利用したことがなければ、ぜひお読みください！

廃車手続きする前に！廃車専門買取サービスを受けるメリット

廃車手続きを単独で進めようとすると、手続きに時間と費用がかかったり、手続きする上で注意すべきポイントを考慮しなければならなかったりします。
廃車手続きよりも簡単に、お得に車を処分するなら、廃車専門買取サービスを受けるのがおすすめです。

私たちは廃車買取サービス「車選びドットコムの廃車買取」を運用しており、日々たくさんのお客さまから査定の問い合わせや喜びのお声をいただいております。
なぜ廃車買取が人気なのか、サービスを受けるメリットについて紹介します。

高価買取の可能性あり！手続き費用をまかなえる

廃車買取が魅力的なのは、高値で取引できる可能性がある点です。まだ走行可能な車は、修理して中古車になったり、海外に輸送され販売されたりします。
車自体が走行不可能でも、解体されたパーツが売買の対象になるため、廃車の買取は業者側にとってもメリットが大きい行為なのです。

車の状態次第では、廃車の手続き費用をまかなえる場合があるため、廃車にする前に査定を出すのがおすすめです。

面倒な不動車のレッカー手配・対応を無料で請け負ってくれる

事故等で自走できない車の場合、廃車手続きするよりも買取対応をしてもらう方が、車の運搬の面で大きなメリットがあります。廃車・解体を自力でやろうとすると、手続きや解体ができる場所まで不動車を運ばなければなりません。
買取サービスを利用すれば、レッカー車の手配・対応を一括でお任せできるので、手間なくスムーズに処分できます。

廃車専門の買取業者であれば、事故で不動になっている車を買い取るプロであるので、レッカー車の手配から運搬までを無料で対応しているケースが一般的です。

「車選びドットコムの廃車買取」はもちろん無料でお引き受けしますので、気軽にお問い合わせください。

年中無休で対応してくれる

平日・休日関わらず買取対応できるのは、廃車買取サービスの強みです。廃車手続きを自力でやろうとすると、運輸支局や事務所が営業している平日の日中しか対応できません。

仕事の都合を考慮すると、業者に委託した方が対応しやすいのでおすすめです。

車選びドットコムの廃車買取では、全国に買取ネットワークがあるのに加え、専門のコールセンターを運営しております。廃車買取に詳しいスタッフが常駐しているので、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください！

→廃車買取専門業者に愛車の査定を依頼する

買取サービスを上手に利用し、車検が切れた車も適切に廃車手続きしよう

車検が切れた車を放置すると、自動車税や駐車場代など維持にかかる費用を払い続けなければなりません。廃車する場合は、手続きに必要な手順・書類を準備し、注意すべきポイントをおさえて適切に処置しましょう。

自力で廃車するより、廃車専門の買取業者に委託する方が、手間なくお得に車を処分できます。
廃車を決断するより先に、査定・見積もりで買取額を確認するのがおすすめです。オンライン上から無料で確認できますので、ぜひご利用ください。