廃車にする走行距離と年式の基準|どこが壊れたら修理困難なのか

「購入して10年近く経つけれども、まだ乗れるかな…」
「最近、車の調子が悪いけれども、修理と廃車とどちらがいいの?」

車がどんな状態になったら廃車にすべきなのか、何を基準に判断すればいいかわからず困っていませんか?

本記事では、廃車の基準を4つ解説します。本記事を参考に、廃車にするべきか修理すべきか判断しましょう。

年式が古い・登録後の年数が7~20年経過している

年式が古い車

廃車にするかどうかの1つ目の判断基準は、車の年式と登録後の経過年数です。車種の型が古くて部品の生産中止などにより修理が不可能なケースがあります。何十年も前の車なら廃車を視野に入れておきましょう。

また、現在では車両構造の安全性が強化され、10数年程度では、まだまだ現役で活躍できる車が多くあります。
しかし、万が一の事故で破損していて、その修理代が新しい車よりも高くなってしまう場合は年式・年数に限らず、廃車という選択肢を検討してみてください。

以下では車の年代別に、どのくらいの使用年数を目安に廃車を判断すれば良いのか解説します。

1970〜1990年代の車の場合

1970年代から1990年代というのはバブル時代で購入者が多かっただけでなく、スーパーカーブームで自動車を持つことがステータスだった時代です。ほぼ毎日といっていいほど長距離を走っていました。
速さを追求したことによって必然的に車の消耗度は高いだけでなく、部品も手書きの設計図から作るので品質にばらつきがあったのです。そのため新車として購入してから安全に運転できる期間は7年ほどしか持たないことが多い傾向です。

2000年代以降の車の場合

2000年代に入ってからの車の使用目安は、16年から20年です。
なぜ2000年代の車は前年度に比べて2倍も数値が違うのかというと、使用頻度の違いとソフトウェア使用による部品の性能アップが関係しています。2000年代に入るとスーパーカーブームも終焉を迎え、その代わりに大人数の人間が乗れるSUVが主流になります。

この時代になると手書きの設計図から作るのではなく、パソコンでCADといったソフトウェアを使って設計するので部品の性能が飛躍的にアップしたのです。
さらに高速バスや飛行機の充実によって使用頻度も変化して、2000年代以降の車の処分するまでの目安が16年から20年と飛躍的に伸びました。

走行距離が150,000kmを超えている

走行距離も廃車にするかどうかの判断基準です。
年式や年数も指標にはなりますが、例えば5、6年前の車で週に1日しか乗らないという人の車と、まだ購入して2,3年だけど毎日欠かさず乗る人の車と比較すれば、走行距離のメーターは必然的に後者の方がキロ数は上昇します。
メンテナンスの状況や運転の仕方にもよりますが、年数や年式が古いからというだけでは即廃車と決めつけられません。

長い距離を走っているとそれなりに車のパーツも痛んでくるもので、15万キロを越えてきたら廃車の時期はそろそろかな…と考え始めるのが良いでしょう。なぜ15万キロなのかというと、この走行距離を超えるとエンジン回りの部品の消耗度に限界が来るからです。
ただし、走行距離も1970年代から1990年代までの車と2000年代以降の車では違いがあります。

1970〜1990年代の車の場合

年式が1970年代から1990年代までの車だと、この走行距離については15万キロではなく5万キロから10万キロが目安になっています。これはエンジンを動かすときに使うタイミングベルトという部品が、摩耗して使えなくなるのが10万キロだからです。

2000年代以降の車の場合

2000年代に入ると寿命の長期化が図られることで、新しい技術としてタイミングベルトではなく特殊な金属を使ったタイミングチェーンを使っています。特殊な金属で構成しているので耐久度が高く、10万キロが限界だったのが15万キロから30万キロまで飛躍的に伸びました

しかし、いくら特殊な金属で構成されたタイミングチェーンを用いて30万キロまで伸びたとしても、それ以外の部品の寿命は10万キロから始まることに変わりありません。
そのため走行中にいきなりエンジンが動かなくなるリスクを考え、走行距離は15万キロを目安に廃車を検討しましょう。

維持費が新車価格より高額になる

車を所有することで、メンテナンス費、税金、保険の費用が維持費として発生します。この維持費が新車価格よりも高くなる場合は、車を廃車し、買い替えを行った方がよい場合があります。

以下より、それぞれの維持費がどの程度必要か解説します。

メンテナンス費

メンテナンス費の代表的なものが車検代です。購入した日を基準に毎年決まった期日に専用の工場もしくは陸運局にもっていって監査する車検が義務付けられています。
車検では安全に走行できるように整備が成されるだけでなく、安全に走行できる証明も込みで約10万円は必要になります。

税金

税金には自動車税および軽自動車税と自動車重量税があり、これらは毎年所有の権利を持っている人が4月の下旬頃に納税通知書が届きます。納税する額は車の大きさによって異なり、最低限用意すべき値段としてはおおよそ5万から15万円が必要です。

保険

保険というのは万が一事故を起こした時と盗難や故障によってかかる負担を軽減するために支払うもので、車検を受ける際に同時に支払います。
保険には期間が定められており、期間によって金額は違います。買い替えのタイミングではないという条件で安心を考えるのであれば最高の37ヶ月を指定するのが流れです。そして最高の37ヶ月を指定した場合の金額は、車の大きさに関係なく約5万円が目安になっています。

事故車の状態が「全損」である

事故車を修理するか廃車を選ぶか悩んだ場合は「全損状態であるかどうか」に着目しましょう
全損には「物理的全損」と「経済的全損」の2通りがあります。修理することを考えた場合、物理的もしくは経済的全損と判断される状態の場合は、廃車を選ぶほうが得です。

物理的全損の状態

物理的全損とは、車体のフレームとも呼ばれる骨格部分に大きく損傷がみられ、修理ができない状態のことです。骨格部分は、板金で凹みを直せたとしても耐久性が大きく低下しており、乗り続けるのはおすすめできません。凹んだ状態に止まらず、完全に切断された状態になれば尚更です。

そのため、物理的全損となるような骨格部分の大きな損傷は修理をせず、廃車となります。物理的全損になりやすい事故の具体的な例には、トラックと普通・軽自動車の接触事故や炎上事故が挙げられます。

経済的全損の状態

経済的全損とは、修理ができる程度の破損状態であっても、修理費用が車両の時価額よりも上回るほど高額な状態のことです。たとえば、修理費用が100万円で車両の時価が50万円である場合が経済的全損に該当します。修理費用が車両価値よりも上回るのであれば、廃車にして買い換えた方が出費が少なくて済みます。

経済的全損は、フレーム修理とエンジンの載せ替えといった、高額な修理費用がかかる内容が重なると判断されやすい傾向です。ただし、車両の人気が高ければ、高額な修理費用が必要でも、時価額が高く経済全損とならないケースがあります。

事故で廃車の判断になった場合の保険は?

事故を起こした車両が廃車と判断された場合、自身の車の修理や買い換えに保険を利用したいのであれば、「任意保険」への加入が必要です。自動車保険の「自賠責保険」は、事故相手に対する慰謝料や通院料などの保証を支払うための保険です。
また、任意保険に加入していても「車両保険」や特定の「特約」に加入していなければ、廃車になっても保険は使用できません。

以下より適用できる保険や特約について解説します。

車両保険

車両保険とは、交通事故や災害が原因で自身が所有する車が破損・損傷した際に支払われる保険です。カバーしてくれる範囲にも種類があり「エコノミー」と「一般条件」の2つがあります。「エコノミー」は、交通事故や災害が原因による損傷がカバーの範囲です。「一般条件」は、自損事故や当て逃げといった車両事故全般をカバー範囲としています。

支払われる保険は、修理や購入費用にかかった全額ではなく、設定している車価の範囲内です。よって、設定している車価によっては、結果的に修理代の全額が支払われることになる場合もありますし、修理代が上回る場合もあります。

新車特約

新車特約とは、車両保険にオプションとしてつけられる特約です。一般的に、修理費用が車両保険の車価に対して50%を上回ったり、全損と判断された場合に適用できます。保険会社によって適用条件は異なるため、事前に確認しておきましょう。限度額は新車価格相当額となっており、新車の買い換えのための資金の助け舟となってくれるため、契約して損はありません。

買替時諸費用特約

買替時諸費用特約とは、車を買い替える際にかかってくる諸費用に対して適用される保険です。具体的には、車両本体や検査登録費用、車庫証明費用、廃車にする車両の解体費用などが該当します。

全損超過修理特約

全損超過修理特約とは、車両保険金額にプラスして数十万円を支払ってもらえる特約です。契約しておくことで、車両保険金額よりも修理費用が高くなっても自己負担金額をさらに軽減できます。

廃車は年式・走行距離・維持費・事故後の状態を基準にする

  • 安全面での目安は使用年数は16年〜20年、走行距離は15万キロ
  • メンテナンス費、税金、保険などの維持費も目安に

車は便利ですが消耗品なので、所有者はしっかりと寿命が来ることを考慮しなければなりません。
その寿命の内訳というのが使用年数と走行距離であり、使用年数は16年から20年であり走行距離は15万キロが安全面での目安になります。しかし使用年数や走行距離が目安に満たなくても、維持費が新車価格を超え始めているのであればこれも処分のタイミングです。

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